修羅の門というマンガをご存じですか？ 今から30年ほど前の1987年に月刊少年マガジンで連載がスタートした川原正敏先生の格闘マンガです。 当時中学生だった私は、作中に出てくる陸奥圓明流の奥義「無空波（むくうは）」という必殺技を習得したく、友人たちと布団突きに勤しんでおりました。もちろん習得はできませんでしたが・・・。 さて、今回はこの陸奥圓明流の各時代の伝承者の物語の「修羅の刻（しゅらのとき）」をご紹介します。「刻」と書いて「とき」と読みます。 現在までに、コミックスで20巻が発売されて、歴代の伝承者も10人を超えてきています。 発売された順に、歴代の陸奥圓明流の物語の見どころをご紹介。今回は西郷四郎編（十四巻）から西国無双編（十九巻）までを後編としてお送りいたします。

修羅の刻（後編）

西郷四郎編

あらすじ

陸奥圓明流の伝承者

陸奥 天兵（むつ てんぺい、37代） 陸奥 出海（むつ いずみ、36代）

仲間とライバル

西郷 四郎（さいごう しろう） 嘉納 治五郎（かのう じごろう） 前田 英世（まえだ ひでよ）

コミックス

十四巻、六巻

筆者感想

時は明治時代の中期。陸奥出海が坂本龍馬と共に過ごした時代の少しあと。 本編の修羅の門のコンデ・コマ（前田光世）、グラシエーロ柔術に続く物語。講道館柔術の祖、嘉納治五郎とその四天王の一人であり姿三四郎のモデルである西郷四郎と陸奥の物語。 西郷四郎の恵まれていない体格（低身長）にもかかわらず、その天賦の才から繰り出される投げ技の強さがしっかりと表現されている。

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雷電爲右衞門編

あらすじ

陸奥圓明流の伝承者

陸奥 左近（むつ さこん） 陸奥 兵衛（むつ ひょうえ）

仲間とライバル

雷電 爲右衞門（らいでん ためえもん） 葉月（はづき）

コミックス

十五巻

筆者感想

時は江戸時代の中後期。本作品は最強の格闘技と称されることもある相撲（力士）と陸奥の物語。 この作品は格闘マンガというよりも、登場人物の世代にわたる人情マンガをいった感じを受ける。 本気の雷電爲右衞門との立ち合いを望み、成長を待つ陸奥左近。しかし、待ちきれずに病没してしまった父の遺志を受け葉月が挑む。 が、今度は葉月の力が足らず仕合を放棄される。そして、20年後に葉月の息子である陸奥兵衛に託される。既に老境である雷電爲右衞門との最後の仕合に挑む。

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昭和編

あらすじ

陸奥圓明流の伝承者

陸奥 真玄（むつ しんげん） 陸奥 九十九（むつ つくも）

仲間とライバル

（不破） 現（ふわ うつつ） ケンシン・マエダ （陸奥） 静流（むつ しずる） （陸奥） 冬弥（むつ とうや）

コミックス

十六巻～十七巻

筆者感想

今までの「修羅の刻」の様に、実際の歴史に陸奥を登場させた物語とは異なり、本編の「修羅の門」の前史として描かれた物語。 本編で謎とされていたケンシン・マエダや織田信長編でその起点が描かれた陸奥と不破についてを描き始めた作品で、本編のファンは必見です。 そして、陸奥ではなく不破を主体に描いている点も、今までの修羅の刻とは異なり、新鮮な感じです。時代は前後しますが、修羅の門を読んだ後に読むのをおすすめします。

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東国無双編

あらすじ

陸奥圓明流の伝承者

狛彦（こまひこ、26代）

仲間とライバル

本多 忠勝（ほんだ ただかつ）

コミックス

十八巻

筆者感想

織田信長編の狛彦が活躍する物語。ライバルは本多忠勝。 いつもの陸奥らしく、自分よりも強いものに仕合を挑む。その相手と本気でし合う為であれば、窮地も救う。 本作を読んでわかったことは、この時代の陸奥の系譜は八雲に繋がるということ。どこかで陸奥の系譜を整理してみたいな。

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西国無双編

あらすじ

不破圓明流の伝承者

虎彦（とらひこ、不破初代）

仲間とライバル

立花 宗茂（たちばな むねしげ）

コミックス

十九巻

筆者感想

織田信長編の虎彦が活躍する物語。ライバルは立花宗茂。 そして、陸奥ではなく不破の物語。圓明流の明と暗、表と裏の陸奥と不破。この間柄にいつもゾクゾクさせられます。男心（少年心？）的に「最強 VS 最強」の構造は素敵。 東国無双編と一緒にぜひ読んでほしい。

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