修羅の刻のまとめ

2025/05/09 18:30:31更新
目次
▶- 1. 宮本武蔵編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 八雲(むつ やくも)
- 詩織(吉祥丸)(しおり)
- 登場人物(史実側)
- 宮本 武蔵(みやもと むさし)
- 雪姫(ゆきひめ)
- あらすじ
- 原作
- 1. 風雲幕末編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 出海(むつ いずみ)
- 登場人物(史実側)
- 坂本 龍馬(さかもと りょうま)
- 近藤 勇(こんどう いさみ)
- 土方 歳三(ひじかた としぞう)
- 沖田 総司(おきた そうし)
- あらすじ
- 原作
- 1. アメリカ西部編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 雷(あずま)
- 登場人物(史実側)
- ワイアット・アープ
- あらすじ
- 原作
- 1. 寛永御前試合編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 天斗(むつ たかと)
- 圓(つぶら)
- 登場人物(史実側)
- 柳生 十兵衛(やぎゅう じゅうべえ)
- 宮本 伊織(みやもと いおり)
- あらすじ
- 原作
- 1. 源義経編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 鬼一(むつ きいち)
- 静(しずか)
- 陸奥 虎一(むつ こいち)
- 登場人物(史実側)
- 源 義経(みなもと の よしつね)
- 武蔵坊 弁慶(むさしぼう べんけい)
- 平 教経(たいら の のりつね)
- あらすじ
- 原作
- 1. 織田信長編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 辰巳(むつ たつみ)
- 陸奥 虎彦(むつ とらひこ)
- 陸奥 狛彦(むつ こまひこ)
- 登場人物(史実側)
- 織田 信長(おだ のぶなが)
- 雑賀 孫一(さいか まごいち)
- あらすじ
- 原作
- 1. 西郷四郎編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 天兵(むつ てんぺい)
- 登場人物(史実側)
- 西郷 四郎(さいごう しろう)
- あらすじ
- 原作
- 1. 雷電爲右衞門編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 左近(むつ さこん)
- 葉月(はづき)
- 陸奥 兵衛(むつ ひょうえ)
- 登場人物(史実側)
- 雷電 爲右衞門(らいでん ためえもん)
- あらすじ
- 原作
- 1. 昭和編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 真玄(むつ しんげん)
- 陸奥 静流(むつ しずる)
- 登場人物(史実側)
- 不破 現(ふわ うつつ)
- ケンシン・マエダ
- あらすじ
- 原作
- 1. 東国無双編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 狛彦(むつ こまひこ)
- 登場人物(史実側)
- 本多 忠勝(ほんだ ただかつ)
- あらすじ
- 原作
- 1. 西国無双編
- 時代背景
- 登場人物(不破側)
- 不破 虎彦(ふわ とらひこ)
- 登場人物(史実側)
- 戸次 誾千代(べっき ぎんちよ)
- あらすじ
- 原作
- 1. 酒呑童子編
- 時代背景
- 登場人物(陸奥側)
- 陸奥 庚(むつ かのえ)
- 登場人物(史実側)
- 源 頼光(みなもと の よりみつ)
- 酒呑童子(しゅてんどうじ)
- あらすじ
- 原作
宮本武蔵編から酒呑童子編までの修羅の刻のまとめ
宮本武蔵編
時代背景
江戸時代初期、慶長〜元和期(17世紀前半)。関ヶ原の合戦後の混乱が収まりつつあるなか、剣豪たちが新たな流派と立身出世を求めてしのぎを削る時代。
登場人物(陸奥側)
陸奥 八雲(むつ やくも)
圓明流免許皆伝の浪人剣士。理知的かつ冷静沈着で、常に「無刀」の境地を探究している。
詩織(吉祥丸)(しおり)
当初は幼名を冠した若様。叔父に家を奪われた真の姫君で、八雲とは偶然の邂逅で行動をともにする。
登場人物(史実側)
宮本 武蔵(みやもと むさし)
二天一流の開祖。本編では八雲との立会いを通じて「無刀の鍛錬」を試す異色の試合相手として登場。
雪姫(ゆきひめ)
安芸国の名門剣家・雪村家の当主。武蔵門下の剣士で、詩織を誘い武蔵流への入門を促す。
あらすじ
江戸初期、流浪の剣士・陸奥八雲は山茶屋で刺客に追われた少女・押田詩織を救い、自らの用心棒として同行を請われる。詩織が叔父に家督を奪われた姫君であることを知った八雲は、復讐を誓う刺客たちと道中で何度も斬り結ぶが、その度に無刀の奥義「無空波」で難を逃れさせる。やがて安芸国から雪姫率いる武蔵流門弟が詩織の引き取りを申し出るが、八雲は己の流派を貫きこれを退ける。騒動の果て、ついに本流・宮本武蔵との立会いが実現し、二刀流の抜刀を無刀で受け止めた技量が「引き分け」と評されることで、八雲は用心棒としての責を果たし、詩織と共に新たな旅路へと歩み出す。
原作
壱巻に収録
風雲幕末編
時代背景
舞台は幕末の動乱期、黒船来航(1853年)から戊辰戦争(1868年)に至る日本史上でも国情が激しく揺れ動いた時代です。徳川幕府の権威失墜と欧米列強の圧力を背景に、尊王攘夷や倒幕を掲げる志士たちが各地で台頭し、薩摩藩・長州藩を中心とした雄藩連合による倒幕運動が活発化していました。一方で幕府側も京都守護職や新選組といった治安勢力を動員し、公武合体(朝廷と幕府の協調)による体制維持を図ります。物語の時期は坂本龍馬の仲介による薩長同盟成立(1866年)から大政奉還(1867年)を経て戊辰戦争(1868~69年)へ至る数年間であり、日本が明治維新へ向けて大きく転換していく政治的混乱と変革の時期が背景にあります。
登場人物(陸奥側)
陸奥 出海(むつ いずみ)
無手の古武術「陸奥圓明流」を極めた格闘家で、徒手空拳で剣豪を倒すほどの実力者。強敵との真剣勝負を求めて旅を続ける求道者でもある。性格は底知れず大らかで、坂本龍馬から「海の如し」と評される一方、いざ戦えば土方歳三に「修羅の如し」と称される。友情に厚く、龍馬という好敵手の志を陰ながら支える一面も見せます。
登場人物(史実側)
坂本 龍馬(さかもと りょうま)
土佐藩出身の志士。北辰一刀流免許皆伝の剣豪ですが、温厚で人を斬ることを好まない人物です。出海との決闘で敗北したことを契機に「剣の時代は終わった」と悟り、刀を捨てて倒幕という新たな夢に生きる道を選びます。以後、薩長同盟の斡旋や大政奉還の実現に尽力し、血を流さず幕府を倒すため奔走しました。その平和的手法ゆえ旧来勢力に命を狙われ、志半ばで暗殺されてしまいました。
近藤 勇(こんどう いさみ)
新選組局長。天然理心流の達人であり、誠実で面倒見の良い性格から隊士たちに慕われる新選組の精神的支柱です。副長の土方歳三や一番隊組長の沖田総司からも深く尊敬され、彼らとともに京都で尊王攘夷派の取り締まりに尽力しました。戊辰戦争では土方より先に降伏する決断を下すなど局長として組織の存続を図りましたが、維新政府軍に捕えられ処刑されています。
土方 歳三(ひじかた としぞう)
新選組副長。冷徹非情な「人斬り鬼」の異名を持つ一方、仲間思いで統率力に優れた幕臣です。剣の腕前と戦略眼に秀でており、戊辰戦争最後の箱館の戦いでは単騎で新政府軍に斬り込む壮絶な最期を遂げました。近藤勇を深く敬愛し、沖田総司とも兄弟のように固い友情で結ばれています。
沖田 総司(おきた そうし)
新選組一番隊組長。柔和で人当たりが良い反面、一度剣を抜けば人が変わったように勝負に執念を燃やす二面性の持ち主です。天然理心流の天才剣士であり、その腕前は出海にも「剣の天才」と評されるほどです。晩年は肺病(結核)を患いながらも剣士としての誇りを失わず、最期まで戦い抜きました。
あらすじ
幕末の激動の時代、剣を極めた無手の武芸者・陸奥出海は、北辰一刀流の使い手・坂本龍馬と出会い、一戦を交えることで互いの実力と思想を認め合う。敗れた龍馬は「剣の時代の終焉」を悟り、以後、出海と交流を重ねながら、血を流さない倒幕を目指す政治家としての道を歩み始める。一方、出海は新選組の剣士・沖田総司と剣を交わすことで「修羅のごとき強さ」を示し、幕府側・維新側双方の剣豪たちと真剣勝負を繰り広げていく。やがて龍馬は時代を動かす鍵を握る存在となるが、志半ばで暗殺されてしまう。出海は龍馬の遺志と沖田の願いを胸に、戊辰戦争の最終局面・函館にて、幕府方最後の将・土方歳三と対峙する。激動の時代を駆け抜けた者たちの想いを受け、出海は「無刀の修羅」として剣を超えた闘いに挑んでいく。
原作
弐・参巻に収録
アメリカ西部編
時代背景
19世紀後半、アメリカ西部開拓時代。ゴールドラッシュによって移民が流入し、鉄道が敷かれ、フロンティアが急速に発展していく中、法と秩序が未整備な町では保安官と無法者の銃撃戦が日常的に繰り広げられていました。白人以外の移民、とくにアジア系に対する差別や迫害も横行しており、人種と暴力が渦巻く混沌とした時代背景が広がっていました。
登場人物(陸奥側)
雷(あずま)
「風雲幕末編」の主人公・陸奥出海(いずみ)の実弟で、陸奥の名は兄の出海が継いだため、苗字はない。陸奥圓明流の使い手であり、単身アメリカ西部へと渡った青年。無骨で寡黙ながら、拳一つであらゆる武器に対抗できる実力者。正義感が強く、弱者を守る姿勢を崩さない。異国の地であっても信念を曲げず、自身の技と誇りを貫く姿は、銃社会の中において異質ながらも人々の信頼を集めていく。言葉の壁を超えて人と心を通わせる求道者。
登場人物(史実側)
ワイアット・アープ
アメリカ西部の伝説的保安官。実在の人物で、「OK牧場の決闘」などで知られ、無法者に立ち向かった象徴的存在。劇中では、法と秩序を重んじる強い正義感の持ち主として登場し、陸奥雷の異質な力に興味を抱く。銃ではなく拳で貫く雷の戦いぶりに敬意を抱きながらも、保安官としての矜持との葛藤が描かれ、彼の人物像に深みを与えている。
あらすじ
19世紀後半のアメリカ西部、陸奥雷は放浪の末にたどり着いた町で、アジア系移民や弱者たちが無法者に脅かされている現実を目の当たりにする。銃を持たず拳だけで戦う彼の姿は人々の目に異様に映るが、その力は次第に町の信頼を集めていく。やがて雷は、法の番人ワイアット・アープと出会い、互いの正義を語り合いながら、町の平穏を守るため共闘を決意する。町を支配しようとする無法者ビリー・ザ・キッドの一団との激突が避けられぬ中、雷は銃弾が飛び交う中を素手で駆け抜け、己の技と信念で敵を制していく。戦いを終えた後、アープは雷に「銃よりも恐ろしく、そしてまっすぐな力がある」と敬意を示し、雷もまた一つの修羅道を超えたことを感じながら、新たな旅路へと歩み出していく。
原作
四巻に収録
寛永御前試合編
時代背景
江戸時代初期、三代将軍・徳川家光の治世下にあたる寛永年間(1624〜1644年)。幕府による統治体制が確立され、戦乱の時代が収束に向かう中で、武家社会における武芸の価値は実戦から形式美へと変化しつつありました。将軍の御前で剣豪たちが技を競う「御前試合」は、流派の威信と個人の名声を賭けた一大行事であり、剣の時代に生きる者たちにとっては自らの信念と技を証明する舞台でもありました。
登場人物(陸奥側)
陸奥 天斗(むつ たかと)
陸奥圓明流の継承者であり、無手での戦いを極めた若き武芸者。一見、呑気で飄々とした性格だが、その内には深い覚悟と闘志を秘めている。鍛錬の一環として片目を閉じていることが多く、隻眼と誤解されることもある。御前試合では、己の信念と技をもって数々の剣豪と対峙し、無手の強さを証明する。
圓(つぶら)
真田幸村の娘であり、陸奥圓明流を名乗る少女。父の仇である徳川家光を討つため、御前試合に出場する。暗器を用いた戦法を得意とし、試合を通じて天斗と出会い、彼の強さと信念に触れることで、自身の復讐心と向き合うこととなる。
登場人物(史実側)
柳生 十兵衛(やぎゅう じゅうべえ)
将軍家剣術指南役・柳生宗矩の息子であり、隻眼の剣豪として知られる。剣の才に恵まれ、御前試合では最強の剣士として名を馳せる。天斗との対戦を通じて、無手の強さと陸奥圓明流の真髄に触れ、剣の道に新たな境地を見出す。
宮本 伊織(みやもと いおり)
宮本武蔵の養子であり、若き剣士。幼少期に陸奥八雲と宮本武蔵の対決を目の当たりにし、武蔵の弟子となる。御前試合では、武蔵の代理として出場し、天斗や圓と出会う。剣の技量は高いが、優しさゆえに人を斬ることに葛藤を抱えている。
あらすじ
寛永年間、将軍・徳川家光の御前で行われる大試合に、無手の拳のみで戦う陸奥圓明流の若き継承者・天斗が招かれる。名だたる剣豪が列をなす中、天斗は身分や流派にこだわらず、ただ実力のみで次々と強敵を倒していく。その戦いぶりは御前を固唾を呑んで見守る武士たちの価値観を揺さぶり、剣を持たぬ強さの意味を問うものとなっていく。中でも将軍家指南役・柳生十兵衛との立ち合いは、双方が死を覚悟する真剣勝負となり、武芸に生きる者たちの本質を浮き彫りにする。一方、真田幸村の娘・圓は父の仇である家光を討つため、御前試合に出場し、暗器を用いて戦う。天斗との出会いを通じて、彼女は復讐心と向き合い、最終的には家光を討つことを思いとどまる。試合を終えた天斗は、称賛も栄誉も受け取らず、ただ拳を握りしめて去っていく。その姿に、伊織は己が進むべき武の道を見出し、剣の時代に新たな問いを投げかけるものとなった。
原作
伍・六巻に収録
源義経編
時代背景
本編の舞台は平安時代末期、源平合戦の時代(12世紀後半)です。治承・寿永の乱を経て、平家と源氏が全国で激しく争い、やがて源義経の活躍により平家は滅亡へと向かいます。一方で、源頼朝と義経の兄弟対立が表面化し、義経は謀反の疑いをかけられて追われる身となる。貴族社会から武家社会へと大きく転換しつつある激動の時代が背景です。
登場人物(陸奥側)
陸奥 鬼一(むつ きいち)
陸奥圓明流の使い手で、剣を持たずして敵を圧倒する体技を誇る。放浪の拳士として世に紛れ込み、戦乱を忌み嫌う姿勢を貫く。義経や弁慶と出会い、剣によらぬ強さの意味を語る存在として描かれる。
静(しずか)
鬼一の妹で、白拍子舞の名手。後に義経の妻となり、彼との間に子をもうける。陸奥圓明流の技を使うことができ、身重の状態でも僧兵を圧倒するほどの強さを持つ。しかし、戦うシーンは少なく、立場の弱さや苦しさを強調する場面が多い。
陸奥 虎一(むつ こいち)
鬼一の妹・静と源義経の子。幼名は虎若。赤子の頃、砂に生き埋めにされたがそれでも泣き続けていた。鬼一にローキックをかますなど怖いもの知らず。後に「陸奥」を名乗ることを許されている。
登場人物(史実側)
源 義経(みなもと の よしつね)
源頼朝の異母弟であり、源平合戦の英雄。若くして奇抜な戦術と卓越した武芸で平家を打倒するが、その才能ゆえに兄・頼朝に警戒され、最終的に追われる身となる。物語では、戦いの天才でありながらも、自分の力と役割の意味に葛藤する若武者として描かれる。
武蔵坊 弁慶(むさしぼう べんけい)
義経に仕える豪傑。比叡山の僧兵出身で、千人斬りの伝説を持つ剛力の士。劇中では陸奥との戦いを通して「力だけが強さではない」ことに気づかされ、義経の影として黙々とその忠を尽くす。
平 教経(たいら の のりつね)
平家の猛将で、壇ノ浦の戦いで義経を討とうとするが、鬼一と対峙する。その圧倒的な武力と狂気じみた戦いぶりは、鬼一との死闘を通じて描かれる。
あらすじ
平安末期、源義経は平家討伐のため各地を転戦していた。ある日、義経は道中で剣を持たぬ流浪の拳士・陸奥鬼一と遭遇し、その素手で敵を圧倒する技と精神に強い興味を抱く。義経の忠臣である弁慶は、鬼一に立ち向かうも打ち倒され、以後、鬼一の中に武人の真の姿を見出すようになる。やがて義経は壇ノ浦の戦いで平家を滅ぼし、英雄として称えられるが、頼朝の猜疑により追われる立場へと転落していく。都落ちする義経の前に再び鬼一が現れ、義経の問いに「強さとは何か」「戦いとは何か」を静かに語る。運命に翻弄されながらも、義経は最後の地で自らの使命をまっとうし、鬼一は再び人知れず戦乱の世を去る。剣なき拳が交錯したその瞬間、武とは何かを問う物語が静かに閉じられていく。
原作
七・八・九・拾巻に収録
織田信長編
時代背景
本編の舞台は戦国時代中期、織田信長が勢力を拡大し、天下統一を目指していた時期です。信長は革新的な戦術と政策で戦国の秩序を一変させていく一方、敵対勢力や旧勢力との抗争は絶えませんでした。本能寺の変(1582年)へと向かう激動の時期であり、武の在り方が大きく変わろうとしていた転換期です。
登場人物(陸奥側)
陸奥 辰巳(むつ たつみ)
陸奥圓明流の使い手で、信長の妹・琥珀を救ったことから信長と関わりを持つ。飄々とした性格ながら、圧倒的な武力を持ち、信長の戦において重要な役割を果たす。
陸奥 虎彦(むつ とらひこ)
辰巳と琥珀の息子で、信長の甥にあたる。信長のもとで育ち、忠誠を誓う。戦場では冷静沈着な判断力と高い戦闘能力を発揮し、信長の側近として活躍する。
陸奥 狛彦(むつ こまひこ)
虎彦の双子の兄弟で、辰巳と琥珀の息子。信長のやり方に疑問を持ち、独自の道を歩む。戦場では感情を表に出すことが多く、激情型の戦い方をする。
登場人物(史実側)
織田 信長(おだ のぶなが)
戦国の革新者。強烈なカリスマと苛烈な戦略で戦国時代を制圧しつつあったが、その手法は冷酷で、敵味方を問わず畏怖された。劇中では、辰巳や虎彦、狛彦との関わりを通じて、武の在り方や人との絆について描かれる。
雑賀 孫一(さいか まごいち)
鉄砲集団・雑賀衆の頭領。火縄銃を駆使した戦術で信長に対抗する。劇中では、狛彦との戦いを通じて、武の本質や恐怖について描かれる。
あらすじ
戦国時代、織田信長は天下統一を目指し、革新的な戦術で勢力を拡大していた。ある日、信長は配下と相撲をとっていた際、陸奥辰巳と出会う。辰巳は信長の妹・琥珀を救ったことから信長と関わりを持ち、琥珀と結ばれる。辰巳と琥珀の間には双子の息子、虎彦と狛彦が生まれる。虎彦は信長のもとで育ち、忠誠を誓うが、狛彦は信長のやり方に疑問を持ち、独自の道を歩む。やがて、信長は鉄砲集団・雑賀衆の頭領である雑賀孫一と対峙する。狛彦は孫一との戦いを通じて、武の本質や恐怖について学ぶ。一方、虎彦は信長の命を受け、様々な裏任務を遂行する。本能寺の変が勃発し、信長が討たれると、虎彦と狛彦は対峙する。激しい戦いの末、狛彦が勝利し、虎彦は敗れる。その後、辰巳は虎彦に「不破」の名を授け、陸奥と不破の因縁が始まる。この物語は、陸奥圓明流と不破の始まりを描いた重要なエピソードである。
原作
十一・十二・十三(表/裏)巻に収録
※十三巻は表と裏の2冊あり
西郷四郎編
時代背景
本編は明治維新直後、明治10年代の日本が舞台。旧士族と新政府の対立が根強く残る中で、富国強兵・文明開化の名のもとに急激な西洋化が進んでいました。一方、武士の時代が終わりを迎え、剣術に代わって柔術や警察武道が制度として取り入れられ始めた時期でもあり、伝統武芸の意義が問い直される過渡期です。
登場人物(陸奥側)
陸奥 天兵(むつ てんぺい)
陸奥圓明流の使い手であり、かつて西郷四郎の兄弟子と深い因縁を持つ格闘家。文明開化の波に飲まれゆく中でも「武の本質」を問い続け、拳一つで武士道の精神を貫く。表には出さぬ覚悟と静かな情熱を持ち、時代の変化に揺れる若き柔術家たちと対峙しながらも、真に強いとは何かを教えようとする求道者。
父は「風雲幕末編」の主人公の陸奥出海。
登場人物(史実側)
西郷 四郎(さいごう しろう)
講道館柔道の前身となる柔術の達人。史実では嘉納治五郎の高弟として知られ、後の柔道の体系に多大な影響を与えた。劇中ではまだ若く、理想と現実の狭間で揺れ動く一人の柔術家として描かれ、天兵との出会いを通じて、自らの信念と柔術の未来について深く考えるようになる。力や技だけでなく、「武の心」を学ぶ姿勢が描かれる。
あらすじ
明治初期、新政府による近代化が急速に進む中で、剣術や柔術など旧来の武芸は急速にその居場所を失いつつあった。その渦中、若き柔術家・西郷四郎は、己の武道の意義に悩みながらも、柔術の未来を信じて鍛錬を重ねていた。ある日、圧倒的な無手の技を持つ異端の武芸者・陸奥天兵と出会い、試合を挑むも歯が立たず、精神的にも打ちのめされる。だがその敗北を通じて、四郎は技術だけでなく「人を守る力」としての武の在り方に目覚めていく。やがて天兵は、かつての因縁と真摯に向き合いながらも、四郎に一つの問いを残して姿を消す。時代が変わり、武の価値が変容しても、「強さとは何か」という問いに答えを出そうとする四郎の姿は、やがて柔道の源流となる新たな武道の胎動を感じさせるものだった。
原作
十四巻に収録
雷電爲右衞門編
時代背景
舞台は江戸時代後期、文化・文政年間(1804〜1830年頃)。戦のない泰平の世が続き、武芸は実戦よりも精神や形式を重んじるものへと変わりつつあった。剣術や柔術と並んで、相撲は庶民から武家にまで広く親しまれる「国技」として定着しており、力士たちは強さと格式の象徴とされていた。そんな中、「真の強さ」とは何かを問い続ける陸奥圓明流の者が、力の頂点に立つ力士と交わることになる。
登場人物(陸奥側)
陸奥 左近(むつ さこん)
陸奥圓明流の継承者であり、剣や槍をもたずに戦う無手の格闘家。己の拳一つで生き抜き、力に溺れることなく、常に「強さとは何か」を問い続ける求道者。沈着冷静で、必要以上に語らず、ただ行動と勝負の中で自らの信念を示す。雷電との一戦では、無手で力士と相対することの意義を自らの命と引き換えに証明し、その魂は娘・葉月、そして孫の代へと受け継がれていく。
葉月(はづき)
左近の娘で、女性ながら陸奥圓明流の意志を深く理解し、父の死後にその想いを静かに継ぐ存在。劇中では、左近の死後に雷電のもとを訪れ、父との戦いを通じて雷電が得た「心の強さ」を見届ける。葉月と雷電の間に生まれた子が陸奥兵衛であることが示唆され、彼の存在が圓明流の系譜に新たな枝を刻む。
陸奥 兵衛(むつ ひょうえ)
葉月の息子。劇中では幼くして登場し、成長後の活躍は描かれないが、陸奥と雷電の血を受け継ぐ存在として、次世代の修羅の道を予感させる。
登場人物(史実側)
雷電 爲右衞門(らいでん ためえもん)
史上最強と名高い大関。その怪力と驚異的な勝率(254勝10敗)は伝説として語り継がれる。だが劇中では、その力の裏で「本当に強いとは何か」「己はただの見世物かもしれない」という葛藤を抱える繊細な人物として描かれる。左近との出会いと死闘を通じて、「力」では測れない精神的な強さや、他者を想う心の在り方を悟り、相撲取りとして、人間として成長する姿が描かれる。
あらすじ
江戸後期、土俵上で絶対的な強さを誇る雷電爲右衞門は、その怪力と戦績によって「史上最強」と称されながらも、自身の強さにどこか虚しさを抱いていた。ある日、彼のもとに現れたのは、無名の浪人・陸奥左近。剣も槍も持たず、拳一つで武の極致を目指すこの男は、力こそがすべてとされる相撲界に真っ向から異を唱え、「強さの意味」を体現しようとする。雷電は左近との戦いを通じて、力を超えた武の深さを知り、初めて「本気でぶつかりたい相手」として土俵の外での勝負に臨む。その戦いは勝ち負けを超えた、生死を賭けた問答となり、最終的に左近は自らの拳で雷電の魂を揺さぶる一撃を残し、命尽きる。その死を深く受け止めた雷電は、後日現れた左近の娘・葉月から、その子・兵衛の存在を知らされる。葉月は父の遺志を雷電に託し、雷電もまた、その子に何かを託したような沈黙を返す。こうして陸奥圓明流と雷電の因縁は静かに結ばれ、後の世に続く新たな修羅の物語への橋渡しとなる。
原作
十五巻に収録
昭和編
時代背景
本編は昭和初期、日本が近代化と戦争への道を急速に進む中、古き武の価値が見直されつつあった激動の時代が舞台です。日中戦争(1937年〜)前夜の社会不安の中で、武道は国家主義の一端として制度化されつつあり、個人の「強さ」や「信念」が軍事的イデオロギーに取り込まれ始めていました。そんな社会に抗うように、静かに「己の武」を貫く者たちの物語が展開されます。
登場人物(陸奥側)
陸奥 真玄(むつ しんげん)
陸奥圓明流の正統継承者。老境にありながらもなお威厳を保ち、圓明流の「血」と「道」を次代に繋げるために重要な役割を担う人物。愛娘・静流の将来を憂いながらも、不破現とケンシン・マエダという二人の若き修羅に娘を賭けるような立場をとり、彼らの本質を試す。表面上は静観しながらも、武の未来を冷徹に見据える老賢者。
陸奥 静流(むつ しずる)
真玄の娘。柔らかな外見に反して、武の精神を深く理解する気骨ある女性。不破現とケンシン・マエダ、ふたりの強者から想いを寄せられる存在であり、その存在が二人の戦いを精神的にも導く軸となる。圓明流の「魂」を次代へと繋ぐ象徴的な存在。
登場人物(史実側)
不破 現(ふわ うつつ)
不破圓明流の継承者。陸奥と袂を分かった一族に連なる存在で、肉体的にも精神的にも極限まで鍛え抜かれた孤高の拳士。静流を愛し、彼女とともに生きることを望むが、その想いは圓明流の試練を乗り越えることでしか証明できないと信じている。ケンシンとの激闘を経て、ただ強さを求めるだけではない、「人のための武」の意味に辿り着いていく。
ケンシン・マエダ
実在した格闘家・前田光世をモデルとした人物。世界各地を巡り、無敗を誇った異能の格闘家。陸奥真玄に勝負を挑むも、その願いは老境にある真玄には受け入れられず、代わりに不破現と対決することとなる。己の「強さ」を追い求めていたが、現との死闘、そして静流の選択を通じて、強さに対する考え方を大きく揺さぶられていく。
あらすじ
昭和初期、日本に帰国した無敗の格闘家ケンシン・マエダは、最強の名を冠する陸奥圓明流の継承者・陸奥真玄との対戦を望んでいた。だが、老いと喪失感の中にある真玄はその挑戦を退け、代わりに自らの娘・静流を巡って二人の若き修羅──不破現とケンシン──を対峙させる。静流は、二人の間で揺れながらも、己の意思で誰と生きるかを選ぼうとしていた。圓明流と不破流、異国の拳と和の心がぶつかり合う闘いの中、現は力のためではなく「守るための拳」を振るい、ケンシンは初めて強さ以外の価値に触れることとなる。戦いの末、静流は不破現と生きる道を選び、ふたりの間には新たな命が宿る。それは、陸奥と不破、そして異文化の武の系譜が一つに重なる未来の象徴でもあった。こうして、昭和という時代に陸奥の血が静かに刻まれ、次なる修羅の時代へとその意志は受け継がれていく。
原作
十六・十七巻に収録
東国無双編
時代背景
「東国無双編」は、織田信長の死後、戦国時代末期の混乱期を背景にしています。本能寺の変(1582年)以降、豊臣秀吉が台頭し、徳川家康との間で勢力争いが激化していた時期です。この編では、東国の武将たちの動向が描かれ、特に徳川家康の家臣である本多忠勝との関わりが中心となります。
登場人物(陸奥側)
陸奥 狛彦(むつ こまひこ)
陸奥圓明流の継承者であり、双子の兄・虎彦とは対照的な冷静沈着な性格を持つ。無手の武術を極め、戦乱の世においても己の信念を貫く姿勢を崩さない。本多忠勝との対決を通じて、武の本質と向き合い、陸奥の道を深めていく。
登場人物(史実側)
本多 忠勝(ほんだ ただかつ)
徳川家康の忠臣であり、「東国無双」と称された戦国時代屈指の武将。生涯において数多くの戦場を駆け抜けながらも、一度も傷を負わなかったとされる。槍の名手として知られ、特に「蜻蛉切」と呼ばれる槍を用いた戦いぶりは伝説的。狛彦との対決では、無手の武術と槍術の極致がぶつかり合う。
あらすじ
織田信長の死後、戦国の世は新たな混迷を迎えていた。陸奥圓明流の継承者・狛彦は、己の武を試すべく、東国無双と称される本多忠勝との対決に臨む。無手の極意と槍術の粋がぶつかり合う中、両者は互いの武の深淵を垣間見る。狛彦は、忠勝の槍の技量と戦場での経験に圧倒されながらも、陸奥の拳で応戦。一方、忠勝もまた、狛彦の無手の技に驚嘆し、己の武を見つめ直す。激闘の末、両者は互いの力を認め合い、再戦を誓いながら別れる。この対決を通じて、狛彦は陸奥の道をさらに深め、戦乱の世においても揺るがぬ信念を確立していく。
原作
十八巻に収録
西国無双編
時代背景
本編は、戦国時代末期の九州を舞台にしています。豊臣秀吉の死後、九州では大友家や立花家などが勢力を争っており、武将たちは己の力を示すために戦いを繰り広げていました。この混乱の中、陸奥圓明流の使い手・不破虎彦が九州に現れ、立花家との関わりを持つことになります。
登場人物(不破側)
不破 虎彦(ふわ とらひこ)
陸奥圓明流の使い手であり、陸奥狛彦の双子の弟。兄とは対照的に豪放磊落な性格で、戦いを楽しむ一面を持つ。九州に渡り、立花家の女城主・戸次誾千代と出会い、彼女との交流を通じて己の武を深めていく。
登場人物(史実側)
戸次 誾千代(べっき ぎんちよ)
立花家の女城主であり、立花道雪の娘。幼少期から武芸に秀で、家督を継いだ後も男勝りの性格で知られる。虎彦との出会いにより、彼の実力と人柄に惹かれ、次第に心を開いていく。
あらすじ
戦国時代末期、九州の地に現れた陸奥圓明流の使い手・不破虎彦は、立花家の女城主・戸次誾千代と出会う。誾千代は、虎彦の実力を試すべく彼に決闘を挑むが、互いの武を認め合い、次第に心を通わせていく。しかし、誾千代の婿として迎えられた立花宗茂との間で、虎彦は再び戦いに身を投じることになる。宗茂との激闘の末、虎彦は己の武の在り方を見つめ直し、誾千代との別れを経て、新たな道を歩み始める。この物語は、武と心の在り方を問う、陸奥圓明流の新たな章である。
原作
十九巻に収録
酒呑童子編
時代背景
本編は平安時代中期、都を騒がす鬼・酒呑童子の討伐が命じられた時代を背景にしています。源頼光とその四天王が鬼退治に向かう中、陸奥圓明流の使い手・陸奥庚もまた、鬼との戦いに身を投じます。この時代は、武士の台頭と共に、鬼や妖怪といった異形の存在が人々の恐怖の象徴として語られていた時代でもあります。
登場人物(陸奥側)
陸奥 庚(むつ かのえ)
陸奥圓明流の使い手であり、酒呑童子討伐に加わる源頼光の四天王の一人。無手の武を極めた拳士であり、鬼との戦いにおいても一歩も引かぬ胆力を持つ。その拳は、鬼すらも畏れるほどの威力を誇り、陸奥の名を世に知らしめることとなる。
登場人物(史実側)
源 頼光(みなもと の よりみつ)
平安時代の武将であり、酒呑童子討伐の命を受けた人物。四天王と共に鬼退治に向かい、都の平和を守るために戦う。その勇猛さと統率力により、多くの武士たちの信頼を集めている。
酒呑童子(しゅてんどうじ)
大江山に棲むとされる鬼の頭領。人々を襲い、都を騒がせる存在として恐れられている。その強大な力と恐ろしい姿は、多くの武士たちを震え上がらせる。
あらすじ
平安時代中期、都を騒がす鬼・酒呑童子の討伐が命じられ、源頼光とその四天王が大江山へと向かう。その中には、陸奥圓明流の使い手・陸奥庚の姿もあった。無手の武を極めた庚は、鬼との戦いにおいても一歩も引かぬ胆力を持ち、鬼すらも畏れるほどの威力を誇る拳で酒呑童子に立ち向かう。激闘の末、庚は酒呑童子を討ち果たし、都に平和をもたらす。この戦いを通じて、陸奥の名は世に知られることとなり、庚の武は後の世代へと受け継がれていく。
原作
二十・二十一・二十二巻に収録
よくある質問
- 『修羅の刻』と『修羅の門』の関係は?
- 『修羅の刻』は『修羅の門』のスピンオフ作品で、陸奥圓明流の歴代使い手たちの活躍を描く歴史格闘漫画です。『修羅の門』が現代を舞台にしているのに対し、『修羅の刻』は過去の時代を舞台に、それぞれの“陸奥”が歴史上の人物と対峙する構成になっています。
- 『修羅の刻』の読む順番やおすすめの順番は?
- 基本的には刊行順に読むのがおすすめですが、どの編から読んでも個別に完結しているため問題ありません。時系列順に読みたい場合は「酒呑童子編 → 源義経編 → 織田信長編 → 雷電為右衞門編 → 昭和編」などと進めると、陸奥圓明流の系譜を追いやすくなります。
- 『修羅の刻』はどこまでが実在の歴史で、どこからが創作?
- 各編に登場する歴史上の人物(坂本龍馬、宮本武蔵、雷電為右衞門など)は実在していますが、彼らが陸奥圓明流の拳士と戦ったという記録はもちろんフィクションです。史実と創作を巧みに織り交ぜているのが本作の魅力で、歴史ファンも楽しめる構成になっています。
関連タグ
月刊少年マガジン | アニメ・漫画 | 陸奥圓明流関連商品
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